作句トライ/
夕空を「きぼう」がよぎり秋刀魚焼く
/非日常の科学の粋の活動と、極日常の生活が同居した場面を想定して詠んだもの。
この兼題「秋刀魚」が提示(夏井いつき)されたのは6月末で、秋刀魚の便りもまだまだと言うより、秋刀魚を焼いたのは何時だったか、な程度の秋刀魚との付き合いなので作句の題材に取り込めるシチュエーションも容易には浮かばず難儀していた。そんな頃、TVで宇宙ステーション「きぼう」が関東地方でも観測できるということで、観測に適した日時・方角などに関するニュースが流れていた。
それが誘い水となって二物衝撃の本句にたどり着きました。
(「NHK俳句」2023年11月号佳作)