田尻語チャット辞典

日本の方言凡例・田尻語の特徴語彙集逆引き田尻語による「桃太郎」

田尻語チャット辞典】

遮光器土偶
【宮城県大崎市田尻蕪栗恵比須田遺跡出土】
(2014.6撮影/東京国立博物館蔵:重文)

本辞典は、話し言葉としてなかなか味のある田尻語(宮城県大崎市田尻の方言)を収集し、その特徴ある方言を、かって実際に話されていた時とできるだけ近い状態で記録しようと意図しました。

世の趨勢として共通語が全国的にいきわたり、方言はどんどん衰退していると思われ、今がこのようなことを記録(記憶)に残しておける残り少ないチャンスと思い手掛けてみました。

語彙収集に当たり小生も属している「田尻郷土研究会」にご協力を頂きました。宮城県大崎市田尻を構成する旧田尻町の3地区(田尻、沼部、大貫)のうち、田尻、沼部地区に関しては会員有志に収集いただきました。
大貫地区に関しては大分な著作「大貫のことば」(大貫弁研究会編)が既にあることを知りました。それ故、大貫地区に関してはそれを活用するようにとのこととなり、大変大きな力になりました。
それほど広くない地域故、交流によりそれぞれの喋りことばに地区間の相違は大きくはないものと思っていましたが、地区の特徴が結構残っていることが今回の活動で分かりました。地域のほぼ中央に加護坊山(標高224m)があることもその一因でしょうか。

語彙のみならず文化論も含む前著「大貫のことば」もそうですが、いずれ全田尻或いは大崎市等としての方言辞典のようなものが出てくるものと期待し、本資料はそれらのサブセットとして発声面に重点を置き、郷土の方々及び方言にご関心のある方に、ハンディーな形でWEB上で閲覧いただきたく、「田尻語チャット辞典」として当サイトへの掲載をトライしました。

本資料作成に当たり2地区の語彙収集の取り纏めをご担当頂いた浅野勝宣氏、利用を快諾いただいた前記「大貫弁研究会」代表の堀渕宜男氏、本作業を強く勧めていただいた研究会会長の佐藤紀久子氏、辞書作成に関し多々サジェッションを頂いた太田孝氏、ご協力いただいた会員有志、ホームページに関しては全くの門外漢の小生にアプローチの手ほどきを頂いたWM氏、及び、「語彙集」中「用例」等チャットの口誦を引き受けていただいた田尻(大貫地区)のSA氏を含め、皆様には一方ならぬお世話になりました。深く感謝いたします。

なお、本辞典は作成途上にあり、まだまだ更新されて行くべきものと考えております。記載内容に関し、特に田尻三地区の皆様のご意見を頂きながら適宜修正・充足を図って行きたいと思いますので、「お問い合わせ」等を通じてご意見・ご提案などをお寄せいただきたくよろしくお願い申し上げます。